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高次脳機能障害


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◎「高次脳機能障害」について

 「高次脳機能障害」とは,頭部外傷や脳疾患などが原因で,脳に部分的損傷を受けたため生じる認知機能の障害のことをいいます。
 主に,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害等の認知機能に関する障害及び人格変化が生じることのほか,その他症状として,病識欠如,失行症,失認症,失語症,及び身体障害(片麻痺等)が伴うことも多いです。

脳外傷による「高次脳機能障害」と認定されるための判断要素

 自賠責保険においては,以下の各所見を総合的に検討して,脳外傷による「高次脳機能障害」であるかどうかが判断されることになります。 

  1. 交通外傷による脳の受傷を裏付ける画像検査結果があること
      →「自動車損害賠償責任保険 後遺障害診断書」
      → MRI・CT画像等

     脳外傷による「高次脳機能障害」が認定されるためには,MRI・CT画像所見が重視されます。MRI・CT画像等で脳出血,脳挫傷痕が確認できる場合には,認定がされやすいです。
     また,受傷後早期(2~3日以内)にMRIの拡散強調画像DWIを撮影されていれば,微細な損傷も捉えることができる可能性があるとの指摘もあります。
     事故後ある程度期間が経過した時点では,MRI・CT画像により,脳室の拡大・脳全体の萎縮等を確認できれば,軸索組織の損傷が合理的に疑われます。
     なお,MRI・CT以外の手法としてSPECT(単光子放射体断層CT),PET(陽電子放射体断層撮影)等も指摘されていますが,現在のところ,それらのみでは,脳外傷による「高次脳機能障害」を確定的に示すことができないとされています。

  2. 一定期間の意識障害が継続したこと
      →「頭部外傷後の意識障害についての所見」

     交通事故後の意識状態は極めて重視されます。
     意識状態の評価方法としては,日本では,GCS(グラスゴーコーマスケール)もしくはJCS(ジャパンコーマスケール)が用いられます。

    ・頭部外傷後の意識障害(半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態:GCSが8点以下,JCSが3桁)が少なくとも6時間以上,もしくは,
    ・健忘症あるいは軽度意識障害(GCSが13~14点,JCSが2桁~1桁)が少なくとも1週間以上続いたことが確認できる場合

  3. 一定の異常な傾向が生じていること
      →「神経系統の障害に関する医学的意見」
      →「日常生活状況報告書」

     認知・行動・情緒障害を示唆する具体的な症状あるいは失調性歩行,痙性片麻痺などの高次脳機能障害に伴い易い神経系統の障害が認められることをいいます。具体的には,知能低下,思考・判断能力低下,記憶障害,記銘障害,見当識障害,注意力低下,発動性低下,抑制低下,自発性低下,気力低下,衝動性,易怒性,自己中心性等の症状が認められることをいいます。
     認知機能に関する神経心理学的検査としては,ウェクスラー成人知能検査(WAIS-Ⅲ)があります。年少者の場合は,WISC(WISC-Ⅳ)等があります。このほか,遂行機能障害・注意力障害を評価するものとして,WCST,BADS,TMT,かな拾いテスト,人格・性格の変化を把握するための心理検査として,矢田部・ギルフォード性格検査,MMPI等があります。

「高次脳機能障害」の障害等級認定の基準

 「高次脳機能障害」の障害等級認定の基準は以下のとおりです。
 なお,自賠責保険における障害等級認定は,原則として労災補償手続における障害認定基準に準拠するものとされていますが,「高次脳機能障害」に関しては,単純に労災補償における基準を取り込んではいません。

別表第1

等級 労働能力喪失率 認定基準 後遺障害慰謝料
1級 100% 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの

・身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために,生活維持に必要な身の回りの動作に全面的介護を要するもの

2800万円
2級 100% 1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの

・著しい判断能力の低下や情動の不安定などがあって,1人で外出することができず,日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄,食事などの活動を行うことができても,生命維持に必要な身辺動作に,家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの

2370万円

別表第2

等級 労働能力喪失率 認定基準 後遺障害慰謝料
3級 100% 3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの

・自宅周辺を1人で外出できるなど,日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや,介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力,新しいことを学習する能力,障害の自己認識,円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって,一般就労が全くできないか,困難なもの

2800万円
5級 79% 2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

・単純な繰り返し作業などに限定すれば,一般就労も可能。ただし新しい作業を学習できなかったり,環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており,就労の維持には,職場の理解と援助を欠かすことができないもの。

1400万円
7級 56% 4 神経系統の機能または精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの

・一般就労を維持できるが,作業の手順が悪い,約束を忘れる,ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの

1000万円
9級 35% 10 神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

・一般就労を維持できるが,問題解決能力などに障害が残り,作業効率や作業持続力などに問題があるもの

690万円
12級 14% 通常の労務に服することはできるが,高次脳機能障害のため,多少の障害を残すもの
*労災補償における基準
290万円
14級 10% 通常の労務に服することはできるが,高次脳機能障害のため,軽微な障害を残すもの
*労災補償における基準
110万円


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